+偶然の画廊+

2005年10月16日
私は、
坂の上から見下ろしていて
其処には奇麗過ぎる程理想的な街が在った
坂の下には黒い男の人影が有って
私の方を向いていた
煙る様な街並は男共々融けていて
私に其れを絵画の様に認識させていた
男が私を見ていたのか、其れは判らない
絵画は動かなかった
動けるのは私だけだったのかもしれぬ
私は駆け降り、風が戸惑った
風が凪いだという事は、時は流れたのだろう
男は動きだすと思われた
しかし其れは誤りで
男は絵筆が擦り付けた絵具だった
街は美しいまま其処に在った
私は走り抜けて行く
フォゲットミイノット、と声が聴こえた
涙は、何方の物か判らなかった

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